「日本語が変」ってどういうこと?

国語・日本語教師によるブログ。教育トピックのほか、趣味のアート鑑賞についても書いています。HP…https://japabee.wixsite.com/japabee-japanese

「アナと雪の女王」「思い出のマーニー」に見る王子不在の世界

    最近公開された2つの映画を見て、印象的だったことを簡単にレポート。
 どちらの映画も驚くほど男性の影が薄い。お城にいるお姫さまを助けに行こうとするのは王子さまではなく少女。また、どちらの映画も、登場人物が愛に気づいて自分を取り戻すという過程が描かれるんだけど、そのとき男がまるで役に立ってない。「アラジン」や「天空の城のラピュタ」のような、お姫さまを助ける王子さまというファンタジーらしい設定がなんだか遠い世界のことのよう。
 特に「アナ雪」が大ヒットするというこの現代ニッポンの土壌には、男なんてダメよ!という日本人女性の心情がある気がしてならない。王子さまどころか家の中の無用の長物に変身したダンナとか、一見王子さまっぽくふるまっていたのに、結婚したら全く良い男じゃなかったとか、もろもろの経験を経た日本人女性(おかん)の男性に対するシビアな目線。
 反比例して強く描かれるのは女同士の関係だ。特に「母ー娘」「姉ー妹」のような女性同士の身内というのは、究極のユニットであり、その強い共感でできた関係性の中に男が入り込む余地は1mmもない(でもこの関係性は長く続くと閉鎖的で何も生まない関係にもなり得るんだけど)。
 どちらもすごく面白かったし見てよかったと思うんだけど、なぜか男性を作るY染色体が絶滅しつつありそのうち世界が女だけになるっていうNHKスペシャルを思い出してしまった…

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